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ダンジョン散策に行った話(2)

板越怪奇伝


前回からだいぶ間が空いてしまいましたが、続きです。

<前回のあらすじ>
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・ダンジョンマップがうまくかけないので富士山の近くの氷穴へ取材に出かけた
・2箇所の洞窟のうち、1箇所見学し終えたので近隣の洞窟へ
・行き来するルートは2つあり、「道路沿い迂回コース」と「樹海を突っ切る」コース
・無謀にも樹海を抜けるコースを選択してみることに・・・
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最初の洞窟から続く樹海の山道は、
メインの踏み固められた道以外はほとんど標識もなく、人通りも滅多にない状態

路の両側にはうっそうと生えた木々と、
うねうねと地面を這う木の根と無数の穴が複雑に入り組んでいる
「・・・そんなもんだから、捜索が困難で・・・」
途中反対側からすれ違った観光客とガイドさんの会話が漏れ聞こえる

軽率に単独で来てしまって大丈夫だったんだろうか
セーブもリスポーン地点もないという現実が恐怖心を煽る

10分ほど歩くとようやく前方に先を行く人影がひとつ見えて、少し安堵する
のんびりと歩く2、30代の女性らしき人の横を追い越そうとすると
かすかに「こんにちは」とあいさつされた気配がした

突然のことに驚き声も出せずにそのまま進むと
ふと自分以外の足音が聞こえないことに気づく
恐る恐る振り向くと

い、いない・・・!?

確かについ先ほどそこに人がいたはずなのに
同じ方角へと進んでいたけど、もしかしたら引き返したのか
引き返すにしてもこんな短時間で見えなくなるまで進むのは無理だろうし
などと考え出したら恐ろしくなって全力で競歩状態で前進する

昔々の火山の噴火で凸凹とランダムに空いた穴など
非日常的な森の景色を撮影したいけれど
何かいけないものが写ってしまいそうでそれすらままならない
まだ蒸し暑い山道を必死に突き進む

延々と続く人気のない山道脇道の物陰から
急にカップルが出てきたときは思わず
ぎょええええ!!!?と悲鳴をあげそうになった

ようやく命からがら山道出口まで到着する頃にはもう心臓バクバク
ふと振り向くと「親からもらった大事な命を大切に・・・」と
例の有名な自殺を引き止める看板が・・・!
おおおおかげさまで命は持って帰れそうですよ!!!!(?)

そんなこんなで、蒸し暑さと背筋が凍るような思いをしながら
ようやくたどり着いたもう一方の洞窟では
通路が狭いため入場にはヘルメットが必須とのこと

半信半疑でまた急な下り階段を降りていると
向かいから戻りの男性が勢いよく天井の岩にメットを強打しているところを目撃し
自然の脅威を目の当たりにし恐れおののきながらも、きちんとメットを被り直す

洞窟の中はものすごく狭く、大人はしゃがんで下り坂を降りる
地面は濡れてゴツゴツとしている斜面で、おまけに老若男女の大渋滞が起きている

洞窟の奥の方にはなんと、江ノ島まで続くという
先が何も見えない地獄穴と神棚が祀られていて
なんともミステリアスな地底の雰囲気を存分に堪能できた

洞窟探索後は、途中の樹海移動のプレッシャーもあってかもうヘトヘト
おまけに洞窟内の気温0度から地上30度という気温差に朦朧とし
とうとう帰りの電車で猛烈に体調を崩しながらもなんとか帰還
その後1週間くらい体調が戻らず、やばいものに憑かれたのかとハラハラしつつ・・・
(単純に行く前からひいてた風邪をぶり返した模様)

ダンジョンに行くときは装備や回復アイテムはもちろんのこと
健康な体が第一だなと痛感した取材だった・・・

【関連記事】ダンジョン散策に行った話(前編)