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madhumui開発ウラ話~その1取材編~

madhumui

madhumui ver.1.0のリリースからもうずいぶん経ってしまいましたが、
せっかくなのでこの作品の成り立ちやらキャラ裏設定なんかを書いていこうかと思います。

まずこの作品の企画は2019年の夏前だったと記憶しています。
前作の板越怪奇伝もシリーズ3作目を数えたところで、即売会で
「シリーズ途中からはちょっと手を出しにくい><」というお声をちらほら聞くようになりました。
たしかに4部構成の作品を1からプレイするのはちょっと敷居が高いような気もしたので、
ここらで1つ短編を作ってみようかなと気軽に始めたのがこのmadhumuiでした。
当時はもうサクッと夏のイベントまでに完成させて、冬はイタコ4章も出せるようにしよう!と
意気込んでいたのでまさかこれほど難産になるとは夢にも思っていませんでした。笑


さっそく用意する素材の多さに悶絶している様子が伺えます。

で、どんな話にしようかなと考えあぐねていたところ、
ふと以前にこんな絵を描いたことを思い出しました。



今見るとラムジー(左)の世紀末ぶりがヤバいですが、
こんな感じの悪魔っぽい人たちがどこかから脱出するゲームはどうだろう?と
これまた安直に好きなモチーフとやりたいゲームジャンルを決めました。

ゲームを作る際、どうにも自分の貧相な発想力では限界があるので
それっぽい場所に取材に出かけることがあります。
今回もそんな感じで、前々から好きだった廃墟とか工業地帯とか
そういったモチーフを探しに出かけ、飛行場やら工場群なんかの写真を撮ったりしてました。



印象的だったのはちょうどその頃開催されていた、
工場夜景を眺めるクルージングというマニアックなツアーに参加したときでした。
港そばの公園から観光船が出ていて、自分もあの大きな豪華客船に乗って
優雅に工場地帯を観覧するのかと心踊っていました。


わぁ、右の豪華客船に乗るのかなぁ^^(わくわく)

しかし、乗船前になって係員さんから手渡されたのは救命胴衣、
さらに同じツアーの客も数名でなにやらあの豪華客船の脇に停められた
小さなマグロ漁船のような船に乗り込んで行くではありませんか。


無事に帰ってこれるだろうか・・・(絶望)

促されるままオレンジの救命胴衣を身に纏い、ひょっとしてこのまま沖に出て
マグロを一本釣りするまで帰れないのではなかろうかという不安に苛まれながら、
ボボボボというエンジン音を立てる小さな船に乗り込みました。

幸いにも(?)マグロ漁に携わることはありませんでしたが、それはもう見事な工場夜景を堪能しました。

ちゃんとガイドさんも同行してくださっていて、
「見てください!あの緑の炎はナントカという物質を燃焼する際に発生するものでこれを見られるのはとてもレアなんです!」
「おおおおお!!!(カメラパシャパシャパシャ!)」
と、開始5分で飽きて早く帰りたいと駄々をこねるキッズを脇目に、
もはや興奮してるのは自分とガイドさんだけな気がしないでもなかったですが、
ともかく貴重な光景を眼前に見ることができたのはすごく良かったです。

その時撮影した風景もゲーム本編の背景として利用しているので、
「あぁこれがマグロ漁船のアレね」と思い出してもらえると幸いです。笑

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